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初心者向け「エアブラシの選び方」を解説


初心者 エアブラシ ハンドピース 選び方

こんにちは、天城ハコネです。


今回は「エアブラシの選び方」を、判断基準やポイントを(独断と偏見で)初心者向けに解説していきます。


最初に結論から言ってしまうと、何でも良いので0.3㎜径のダブルアクションを買っとけば問題なしになりますが、色々と理屈をつけて語っていますので、最後までご覧になってください。


目次




■操作方式 ダブルアクションorシングルアクション



エアブラシの操作方式には大き分けて、「ダブルアクション」と「シングルアクション」の2つがあります。



ダブルアクション

「ダブルアクション」はボタンを押すと空気が出て、手前に引くと塗料が出るタイプです。


吹きながら空気と塗料の噴出量がコントロール出来るので、繊細な線を描いたり、大きな面積のベタ塗りなどが容易に可能です。



トリガータイプ

ダブルアクションと内部構造が同じですが、ボタンの代わりにトリガーを引くと、空気と塗料が同時に出る「トリガータイプ」もあります。


引くだけで塗装できるので、指が疲れにくいタイプです。



※シングルアクションが手持ちになかったので、ダブルアクションで代用しています。
※シングルアクションが手持ちになかったので、ダブルアクションで代用しています。

「シングルアクション」はボタンを押すと空気のみが出て、背中についているツマミを動かしてニードルを調整すると、塗料が出る仕組みです。


シングルアクションは、ツマミを動かさないと塗料の噴出量がコントロール出来ないので、吹きながら調整するのは難しいです。




また、作業を中断するたびにニードルを戻しておかないと、ノズルの隙間から塗料がタレてくる欠点があります。


そのため、シングルアクションは構造が単純で比較的安価という利点は有るものの、初心者にはオススメ出来ないです(かと言って熟練者向けでもないです)。




■ノズル口径


ノズル先端

塗料を噴出するノズル先端の内径を「口径」といい、模型用のエアブラシでは、0.2㎜径、0.3㎜径、0.5㎜径が多くラインナップされています。


0.2㎜径は、塗料の噴出量の繊細なコントロールが可能で、細吹きによる陰影付けや、迷彩塗装に適しています。


0.5㎜径は、サーフェイサーやメタリック塗料などの粒子が大きく重い塗料や、大面積を塗装するのに適しています。


0.3㎜径は、0.2と0.5の中間的な性能で、ある程度の繊細なコントロール性と、ある程度に重い塗料の吹付けが可能なオールラウンダーです。


初心者の方が最初にエアブラシを選ぶなら、ラインナップが豊富で、1本で何でもこなせる0.3㎜径をオススメします。


また、2本目のエアブラシを買い増しするさいに、もっと細吹きがしたい場合は0.2㎜を、もっと大面積を塗装したい場合は0.5㎜と、自分の塗装環境に合ったエアブラシが選択出来るようになるので、最初の1本は0.3㎜径がイイです。




■ニードルキャップ


ニードルキャップ

ニードル先端を保護して、空気を整流する役割があるニードルキャップには、標準型な円筒型の他に、王冠型や穴開き型などがあります。


王冠型や穴開き型は、0.2㎜径以下のエアブラシに採用されていることが多く、塗装面とエアブラシ先端を極近距離まで近づけて吹くときに、ベンチュリー効果の負圧でエアブラシ先端が塗装面に吸い付くのを、空気を横に逃がして防ぐ効果があります。


ただ、エアブラシを洗浄するときに、ニードルキャップを指で塞いで空気を逆流させる「うがい」がしづらくなる欠点があるのが留意点です。




■ニードルパッキン


ニードルパッキン

「ニードルパッキン」は塗料が本体内部に逆流するのを防ぐパーツです。


模型用エアブラシは、ほとんどが溶剤耐性に優れたテフロンパッキンを採用していますが、稀に、溶剤に弱いゴム製パッキンを採用しているモノがあるので、テフロン製の採用を謳った商品を選ぶと安心です。



画像のビューティ4+トリガータイプは、何故かゴム製パッキンでした(通常のビューティ4+はテフロンパッキンなのに…)
画像のビューティ4+トリガータイプは、何故かゴム製パッキンでした(通常のビューティ4+はテフロンパッキンなのに…)


■塗料カップ


塗料カップの種類には、エアブラシ本体にイモ付けされた「固定式」、カップが交換できる「着脱式」などがあります。



塗料カップ 固定式

「固定式」の利点は何と言っても洗浄のし易さ。


接続部分に余計なものが無いので、簡単に汚れや塗料が落とせます。



塗料カップ

「着脱式」の利点は容量の異なるカップに変更できること。


サーフェイサーを吹くときに大容量のカップに変えたり、細吹きのときに小容量のカップに変えて取り回しを良くしたりなど、目的に合わせて塗料カップを選択できます。




欠点としては、固定式と比べると接続部分が狭いので、洗浄が少しやり辛いことです。



他にも「吸い上げ式」や「横付け方式」がありますが、あまり使用したことがないので割愛させてください。



■風量調整ネジ(エアアジャストシステム)



「風量調整ネジ(エアアジャストシステム)」は、一部の高級機などに搭載されている、手元で風量(風圧)を調整して固定できるアジャスターです。


手元にあるのでサッと風量を調整できて便利なのですが、僅か数グラムの重量増にもかかわらず、前方に搭載されているので重さによって前に傾きやすくなる欠点があります。


と言うよりも、すぐ手が届く所にエアレギュレーターがあれば、個人的にいらないモノだと思います。



エアレギュレーター
エアレギュレーター



■重量


カタログスペックに記載されるのは稀ですが、個人的に重要な要素がエアブラシの重さ。


何時間もエアブラシで塗装作業していると、手や指に疲労が蓄積していき、場合によっては痛みが出てきます。


通常のエアブラシより1~2割程、軽量化されたアルミ製エアブラシを使用すると、手や指への負担が軽減され、疲労感に差が出ます。



エアブラシ 重さ
HD-130

約93g ほとんどのエアブラシはこれくらいの重さだと思います。



エアブラシ 重さ
AW-302

約100g 風量調整ネジが付いて少し重くなっています。



ビューティ4+ 重さ
エアテックス ビューティ4+

約76g 軽量アルミボディ採用で、普通のエアブラシより2割程軽くなっています。



Harder&steenbeck エボリューションALplus
Harder&steenbeck エボリューションALplus

約60g こちらも軽量アルミボディ採用して、小さな塗料カップにニードルアジャスターを省いたことにより、驚異的な軽さ。




■価格


エアブラシの価格は、二千円前後の低価格帯から数万円の高価格帯まで幅がありますが、一体何が違うのかというと、部品の精度などに違いがあります。


これにより、ボタンやレバーを操作して、空気や塗料が出るときの滑らかさやに違いが出てきます。




上の画像はビューティ4+ 0.2㎜径(9,000円程)と、エボリューションALplus 0.2㎜径(30,000円程)を吹き比べたものです。


少し離して太く吹いたときは、そこまで違いは無く、もっと低価格帯のエアブラシでも違いは感じられないと思います。


極近距離まで近づけて吹いたときには、エボリューションALplusの方は、滑らかな線になって吹けていますが、ビューティ4+の方は、線が滑らかに繋がっていないのが分かります。


これ以外にもメンテナンスのし易さや、部分の耐久性などに違いがあり、初心者の方なら低価格機で頭を悩ませるなら、思い切って高めのエアブラシを買ったほうが良いかもしれません。




■オススメのエアブラシを紹介


最後にオススメの(私が普段使用している)エアブラシを紹介していきます。



エアテックス ビューティ4+


軽量アルミボディを採用し、用途に合わせて塗料カップのサイズや、ノズル口径が変えられるエアブラシ。


ノズルが通常のエアブラシより大きいため、自分でメンテナンスするさいに力加減を間違えて破損するリスクが小さいので、初心者にもオススメできます。



Harder&steenbeck エボリューションALplus




軽量アルミボディを採用した、ドイツ製の高級エアブラシ。


このエアブラシも、用途に合わせて塗料カップのサイズやノズル口径が変更可能で、はめ込み式ノズル(ドロップインノズル)を採用しているので、メンテナンスが容易できます。


ただ、モデルチェンジしたのか、2025年2月時点で在庫のみの販売になっています。





初心者向け「エアブラシの選び方」の解説は以上になります。


あれこれ考えるより、実際に使って経験値を貯めるのが一番なので、取りあえず買って使用してみましょう。

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